サバイバルにも役立つ(?)ロジカルシンキング解説書

震災から一ヶ月が経ちました。今日も大きな余震があり、なかなか落ち着かない毎日ですね。被災した皆様は一層のことだと思います。

さて、今回の一連の災害で強く感じたことは、氾濫する情報を私たち一人一人が選り分けて理解し、判断することがより一層求められているということです。

正確な事実を元に状況を正しく判断し、必要な行動につなげることが生死を分けます。

テレビや新聞といった従来のマスメディアは貴重な情報源ですが、その量や速達性でインターネットにかなわなくなっています。せめて正確性や、事実と解釈をきちんと分けて伝えることに努めて欲しいのですが、それすらままなっていないというのがこの1ヶ月の報道を見ていて感じたことでした。

そいういわけで、情報を正しく読み込み、解釈し、伝えるスキルはITエンジニアやコンサルタントとしてはもちろん、私たちが生きていくためにも役立ちます。(と、強引に繋げてみた!)

ITエンジニアのロジカル・シンキング・テクニック 新装版

ITエンジニアのロジカル・シンキング・テクニック 新装版

ロジカル・シンキングに関する本は今まで何冊か読んだことがありますが、正直どれも方法論だけを述べていて実践が伴わないので、いまいち頭に入ってこない、というのが私の感想でした。

本書の大きな特徴は以下の2点に集約されると思います。

  1. 独自の体系による従来のロジカル・シンキングの拡張と再定義
  2. 豊富な事例による習得のしやすさ

経験を積んだコンサルタント暗黙知となっていたテクニックを、「MALT」(Modeling As Logical Thinking、モルト)という独自体系で整理したことで、従来のロジカルシンキング本よりも大幅に理解しやすくなっており、先に述べた「情報を正しく読み込むこと、解釈すること、伝えること」もそれぞれMALTの一部として解説されています。

また、筆者の豊富な経験に基づいたリアルな事例が各所にちりばめられており、これらに取り組みながら読み込むことで、一層理解力が増します。(値段の割に中身もぎっしり書いてありますので、お買い得感もあります)

本書は2009年に出版されたものの、出版社の事情で一度絶版になってしまったものですが、今年になって新装版として復活しました。私が持っているのは初版の方ですが、非常に勉強になった本です。