体系と実践の狭間

連載第4回の執筆中。今回はできるだけ実践ベース、必要な知識ベース(行き当たりばったり、ともいう?)で解説をするようにしているのですが、覚える要素が増えてくると結構苦しくなります。

教える側の立場で言えば、「体系的な知識」というのはとても教えやすいのです。「必要なことを一つ一つ積み重ねて教えていくので、覚える方も覚えやすいはず」というのが教える側の言い分です。

でも、教わる方の身になってみると、「体系的○○」というのが分かりやすかったためしがない。なにも知識がないところで、「体系」という名のもとに、膨大な知識を注ぎ込まれても受け入れきれないわけです(人間はコンピュータとは違うんだしね)。なにより、面白くない。・・・というわけで、体系的に物事を学ぶには、実は膨大な時間と忍耐力が必要なのではないか、と思うのです。

一方、実践ベースでの学習というのは、目的ありきでそれに必要な知識を学んでいくため、「なぜ必要か」という肝心なところが理解しやすいわけです。実践ベースでの学習は、必要に応じて必要なことを学ぶため、一見効率がよさそうなのですが、全体を抜けなく押さえるのはとても大変なのです。

さらに、教える側にとっては、目的を果たすため、必要に応じて高度な知識も教えなければなりません。体系的に教えているわけではないため、どうやってその部分だけを教えるかも悩みどころです(継承の説明もしてないうちに、フレームワークの使い方まで説明することを想像してみてください)。

そんなわけで、最初は実践で大枠をつかみ、のちに体系的に全体を押さえるというのが最もよい学習の方法ではないだろうか、と思う今日この頃です。